活動中心型授業


授業の3つの型

東京福祉大の上條教授によると、授業のスタイルについて、大きく3つに分けることができるという。
1.説明中心型(一斉授業)
教師が多くの話題を用意し、学習者は教師の話を聞くことにより知識を得る。授業の主体は教師であり、学習者は受け身である。

2.発問中心型
教師は厳選された発問をいくつか与え、学習者は教師の発問に従って、考え、答えを出していく。説明中心型の授業よりは自由度は大きくなるが、授業の中心は教師にある。

3.活動中心型(アクティブラーニング)
学習者主体の授業。教師は話題や時間などの活動の枠組みや活動のルールのみを提示し、あとはできるだけ学習者の活動に介入しないという立場を取る。学習者は試行錯誤しながら学習を進め、自ら学び、考える授業である。知識を教わるのではなく、自身の体験から考え、理解をしていく活動を展開する。

【学習の自由度】
説明中心型発問中心型活動中心型 という順で大きくなる。

【教師のコントロール度】
説明中心型発問中心型活動中心型 という順で小さくなる。

活動中心型授業づくりのポイント

活動中心の授業はかつて学力を低下させるとして頓挫したことがあり、学力が低下しないアクティブ・ラーニングが期待されている。そのための大事な点が以下ある。

  • 活動の枠を明示する

枠の中の自由という発想をとる。教師と子どもが枠(ルール)を共有する。授業の冒頭の部分で「内容」「時間」「場所」をしっかりと示すことである。

  • 授業の中心に活動をおく(活動が自由度を生む)

答えを直接言葉で教えるのではなく、誰かと何かをしながら気づいていくプロセスを重視する。授業が盛り上がるような活動が良いのではなく、「気づくプロセス」が生まれる活動の工夫が必要がある。つまり、学習者の気づきを引き出すための仕掛けである。(話し合いの可視化のためにミニホワイトボード(紙)とマーカーや付箋などの活用が有効)

  • 自己内対話と他者との対話の時間を確保する

自己と向き合い一人で考える時間。沈黙の中でじっくり考える。
・課題をつかみ、自分の考えをもつ。
・学習を振り返り、自己の考えを再組織化する。
ペアやグループなど他者と話し合い考える。
・ペア・グループで話し合って考えを確かめる。
・学級全体で話し合う。(報告を聞く、深める)

  • 教師の言葉により価値付けやゆさぶりを行う(活動の調整)

対話が停滞している時や流れそうな時、まとまりかけた時に教師はゆさぶる。話し合いを浅いまま終わらせるのではなく、教師は意図的に対立場面や多様な視点を引き出し「深い対話」に導く。
【例】
・共通「〜と似ている所は?」「○○さんと似ている人は?」
・相違「〜との違いは?」「○○さんと違う人は?」
・理由・根拠「どうしてそう思った?」「どこから考えた?」
・焦点化「ここに注目して考えよう。」「絞って話し合おう。」
・合成「〜と〜を合わせたらどうなる?」
・具体化「たとえばどんなものがある?」「詳しく言うと?」
・一般化「全体から考えるとどんなことが言えるだろう?」
・再考「もう一度〜について考えよう。」
・広げる「他の考えはある?」

  • 必ずふりかえりをする(学びを外化する)

体験のプロセスの中で得られた気づきを確認し、思考に繋げるためにふりかえりを行う。教師がまとめるとせっかく得られた「体験的な気づき」が生かせない。「ふりかえり」は教師の「まとめ」であってはならない。しかし、教師はファシリテーターとしてその活動が教えるべき指導内容のどこに関係したものであるかを理解しながら授業し、手助けすることも大切である。

型の選択

活動型学習は学習者が体を動かして学ぶため、納得が得られやすい。丸暗記ではないので行動変容も引き起こしやすい。学びの雰囲気も相対的に明るく楽しいため、リラックスした状態で学べる良さもある。しかし、「知識」をしっかり伝えなくてはならない場面も数多くある。全てを時間のかかる活動中心型授業にするのではなく、場に応じて「説明中心型」も必要である。大切なのは活動型授業の特性を活かし、選択する場面を見極めることや、設定や仕掛けをより実践的なものにするように工夫していくことが大事である。

「参加・体験のある授業」ってなあに?
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