体罰について

体罰問題

『人間を動かす二つのてこは、 恐怖と利益である』
というナポレオンの言葉があります。このうち「恐怖」にアプローチするのが体罰です。
カメルーンに派遣されている同期隊員が体罰に関してブログを書いていたので、私も考えてみました。

体罰とは

実用日本語表現辞典によると、体罰とは「反省や改悛を促す手段として、殴る蹴るなどして身体的苦痛を加えること。身体的打撃による罰。」とあります。

日本の学校教育法によると

第十一条 校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。
と定められ、文部科学省は以下のように体罰を定義しています。
体罰の定義
それに合わせて体罰に関する参考事例も示しています。
体罰の参考事例

日本の体罰史〜昭和時代前に体罰はなかった〜

「新」経世済民新聞によると、
16世紀、鞭で打って懲罰することは滅多に行われないと宣教師が報告しました。
江戸時代の子育ては非常に温和で、子供を大事にしたようです。
17世紀前半ごろから、日本人は家庭や寺子屋などで体罰をほぼ用いなくなったといいます。
日本の学校で体罰が見られるようになったのは、1930年代から第二次大戦中にかけてのようです。

九州大 施光恒准教授 記事

世界の体罰への認識と現状

2016年の時点で約50カ国が子どもへの体罰を法的に禁止しています。しかし、まだまだ体罰を教育上有用と考えている国が意外と多いのが実情です。
体罰のある学校とない学校の豪・英・米で比較

なぜ体罰はいけないのか

体罰がいけないのは、体罰と恣意的体罰の区別がつけれらないからだという意見や、人間関係ができていないといけないという意見があります。暴力絶対悪論という考え方もあります。怪我をした場合の責任問題がある(日本はこれ?)という考え方もあります。

私が子どもの頃は悪いことをやったら先生にもゲンコツを食らっていました。体罰を受ける側の子ども(私)は体罰をする相手が悪いとは思わず、「自分が悪いことをしたから仕方ない」と受け入れてしまうでしょう。しかし、体罰(暴力)を良しとすると、自分も悪いことをした者には暴力をするという問題解決策が強化されてしまいます。(アフリカを縦断した時に街中の喧嘩が多いことに本当に悲しかったです。)また、体罰は連鎖します。体罰を肯定すれば、体罰を受けた子は体罰をして教育することが多いでしょう。それを連鎖させることは教育上絶対に良いことではありません。

グアテマラの現状

私は世界を旅する中で様々な学校を見学し、その過程で多くの体罰を伴う授業を見てきたの、グアテマラに来て驚きました。グアテマラでは体罰はほとんど見られません。
低学年は騒がしく、アフリカの学校に行ったら大変なことになるだろうという感じです。しかし、中学年になるにつれてだんだんと落ち着き、教師の言うことを比較的しっかりと聞いています。また、喧嘩がほとんど見られません。グアテマラでは、声を荒げて激昂することは教養がないことと思われていることも影響しているようです。教師も家族も子どもたちを強く追い詰めて指導している様子をほとんど見かけません。皆「大らか」です。(「適当」とも言います。)きちっちりしていない分学力に課題はありますが、その分他の良い面があるように思えます。ピニャータマヤの鞭打ちの刑の文化が残っているのに体罰がなく、落ち着いているのはストレスが少ないという面もあるのではないでしょうか。

人を追い詰めてはいけない

「窮鼠猫を噛む」と言う言葉がありますが、この教訓には弱いものでも侮ってはいけないという意味の他に「逃げ場のないところに人を追いつめてはいけない」ということがあります

私は比較的緩い性格なので私の持っていた学級はどちらかと言うと騒がしいです。その点を上司に学習規律がないと指摘され、厳しく指導することとなりました。ルールを守らない子を正論で厳しく指導していくと、それまで気持ちは落ち着いていた子がストレスで爆発してしまうということがありました。

追い詰めると、その心は救いを求めることを諦め、その意識は破壊(自己・他者破壊)に向かい始めます。こちらの言い分が正論であろうと、相手の逃げ道を用意しておくことが大切です。
人の心を追い詰めてはいけない

体罰をなくす上で大事だと思うこと

  • 体罰はいけないという共通認識を持つ
    体罰が許されるという雰囲気がある限り、指導上即効性のある体罰を無くすことは難しいでしょう。体罰をしている人に対して指摘できるよう、地域社会全体で体罰はいけないという共通の認識を持つことがだと思います。
  • 言葉の暴力もしない
    体罰がなくても、子どもを追い詰めるような叱責すら教育には必要ないのではないかと思います。叱ると対人関係の心理的な距離は遠くなってしまいます。
  • 怒りをコントロールする
    人はそれぞれ、「こうあるべきだ」という信念(Core belief)をもっています。それらが否定されたと感じると、不安や悲しさ、不満、悔しさなどの感情が生まれ、怒りへと発展していきます。日本の体罰の多くは怒りに起因すると言われますので、アンガーマネジメントすることが対策となるでしょう。
  • 子どもを大事にし、愛する
    本当に愛する人や物に対して酷い扱いは普通しない筈です。教師は大事な預かりものをしているいるということを意識し、子どもたちを心から愛することが大切だと思います。


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