授業での指示・発問の仕方

発問

発問の意義

・指導する内容に向けて考えさせ、理解させるため。
・「問い」を発生させるため。課題意識を誘発して知的探求へと向かわせるため。

発問の要件

・何を問うているのかがはっきりしていること。
・簡潔に問うこと。
・簡単な言葉を使うこと。
・主発問は準備段階で「決定稿」にしておくこと。

主発問と補助発問

主発問はその授業の中でメインとなるもので1つまたは2つ。
補助発問は主発問を支えるための発問で数は多くなる。補助発問もいくつか考えておくと良い。
1つの発問で、子どもが学習課題を明確にとらえれれるように、一発で決めるようにしたい。そのために、事前にきちんと話し言葉で文章化しておく。

ゆさぶる発問

広義:子ども達の学習に変化をもたらし緊張を誘う発問
狭義:子ども達の思考や認識に疑念を呈したり混乱を引き起こすことによって確かな見解へと導く発問

「質問」と「発問」

質問:子どもが本文を見ればわかるもの(答えを知らない問いかけ)
発問:子どもの思考・認識過程を経るもの(答えを知った上での問いかけ)

・場面によっては「質問」によって確認することが必要な場合もあるが、そればかりだと学習意欲を低下させる。
・一問一答とならず、子ども達の間でも関連発問が出ると良い。(ピンポン型よりバレーボール型)
・答えが「Yes、No」だけにならないようにする。
・指名してから発問するのではなく、全体に発問してから指名する。
(全員に考えさせてから当てる)

有名な発問

「日本に一番近い国はどこでしょう?」
→韓国、中国
しばらくすると別の児童が答える
→アメリカ、イギリス
「一番近い」というキーワードには
・距離的 ・文化的 ・慣習や立地条件などがある。
「質問」は答えが1つだが、「発問」は解釈が異なる。

読解授業における発問(質問)の種類

事実発問:テキスト上に直接示された内容を読み取らせる
推論発問:テキスト上の情報をもとに、テキスト状には直接示されていない内容を推測させる
評価発問:テキストに書かれた内容に対する読み手の考えや態度を答えさせる

良い発問の条件

・簡潔で明快な発問
・発達に即応した発問
・考えさせる発問
・学習意欲を持たせる発問
・つながりのある発問
・広がりのある発問
・子どもの反応に応じた発問
・テンポの良い発問

明治図書 算数力がつく教え方ガイドブック、文部科学省ワンポイントアドバイスより

指示

一時に一事を繰り返す

発達障がいのある子などは、一度に多くの指示を理解することができません。例えば、「教科書の10ページの二番の問題をノートにやりなさい。」という指示を一度に言っては理解できない場合があります。
「教科書(教科書を見せる)。」
「10ページ。」
「二番の問題。」
「ノートにやります。」
と分解して言います。際立たせたい指示や発問は、言葉を変えずに繰り返します。
例えば、「なぜですか。」を「どうしてですか。」と言い換えてしまうと、別な指示として混乱する子も出て来るためです。簡潔で明確な言葉を吟味する必要があります。

指示を見直す観点

①視覚・聴覚両面から入力しているか
②ワーキングメモリの少なさに対応しているか
③作業量に配慮しているか
④余計な刺激を排除しているか

ゲーム感覚で指示を聞かせる例

指示が全体に通る楽しさを子どもたちと共有するのに、「サイモンセズ」というゲームがあります。
教師が「サイモンセズ」と言った時のみ、その指示を聞くルールで、間違った人が脱落して行くゲームです。(グアテマラでも同様のゲームをピエロがやっていました。)
この「サイモンセズ」というセリフを先生が言います。また、指示の内容も「算数の教科書を出します」等、実際に学習指導で使うフレーズを使うことで、「指示を聞かないと」という意識が自然と働きます。指示を聞くスピードも無理のない程度で少しずつ速くしたり、児童を指示役にしたりするなどの応用もできます。