発展途上国での健康管理

環境の変化による影響

途上国に来てから適応するまでは体調に負担がかかります。(時差、食事、言葉、安全面など)
過度のストレスにより免疫力が低下し、下痢、風邪などの病気にかかりやすくなります。健康管理は自己管理が基本です。食事、睡眠などを十分にとり、はじめは無理をせず体調を整えましょう。ある程度の病気は予防が可能です。中米目線でいくつか紹介します。

衛生環境

どの国でも首都や主要都市では上水道が整備されていますが、飲用には適しません。レストラン、食堂などでは氷にも注意が必要です。特に地方によっては上下水道どころか、日常の水の入手も困難な地域も多くあります。

下痢・食中毒(得意に暑い地域)

<症状>
・食後数時間から3日程度で発生する激しい下痢・腹痛・嘔吐など
・発熱することも多い
<予防>
以下の発生源となる食品に注意する
・加熱が十分でない食品
・調理後時間が経ち、再加熱されていない食品
・衛生管理の悪い生鮮食品
・アイスクリーム、生ジュース、野菜、果物、水
<治療及び対処法>
・医療機関の受診(無理をせず重症化する前に受診)
・適切な抗生物質等の投与(要処方箋)
・下痢止めはできるだけ飲まない
(下痢は有害細菌を体外に排出する自己防衛反応なので、これを妨げると重症化する可能性あり)

発熱

<原因>
・感冒(風邪)、食中毒、食中毒、デング熱、腸チフス、ウィルス性の感染
<症状>
・数日の発熱が持続するのは普通です。しかし、それ以上継続するのは要注意です。
<対処法>
・水分摂取(スポーツ飲料など:Oral Rehydration Solution)
500mlペットボトル5~6本は飲む。対応が早いほど、脱水による体力低下が少なく、回復も早い
・栄養補給
・休養
・自力で動けなくなる前に判断

虫刺され

<予防>
・虫除けの利用
・皮膚の露出部を減らす(靴下を履く)
・衣類に防虫剤を染み込ませる
・帰宅後付着したダニや虫を落としておく(洗濯、日干し、アイロン)
・動物との接触を防ぐ
<対処法>
・痒み止めの塗布
・掻かない
・早めの受診

動物咬傷

<原因>
日本に野良犬が非常に多く、噛まれる危険性が高いです。
<対処法>
・とにかく流水で洗浄(傷があれば搾り出しながら)
・消毒
・加害犬の捕獲(10日間は間作できるように)
・24時間以内にワクチンを接種(次は3日目)

デング熱

<原因>
・デングウィルス(ネッタイシマカによる媒介、人感染は無い)
<症状>
・潜伏期間5〜8日間(それより早い場合も)
・発熱(3〜5日目に解熱、その後発疹が出現)
・筋肉痛
・関節痛
・頭痛(インフルエンザ様)
・眼球後部痛
・背部痛
・無症候性感染も多い
<予防>
ネッタイシマカに刺されない
・日中、特に日の出後数時間と日没前数時間にネッタイシマカは活動する。
・水溜りや口の開いた樽、花瓶、ポット、缶、水槽などに生息しているので、水が入った状態で放置しない。
<対処法>
・医療機関の受診(アスピリンは飲まない)
・解熱剤はタイノール(Acetaminofen)
・セデス、イブ、ロキソニン、総合感冒薬等は重篤な副作用が出る場合があるので飲まない。
・医師の指示なく抗生物質は使わない。

シャーガス病

<原因>
・サシガメ(甲虫)が夜間人への吸血中にフンをし、その分内に存在する原虫が掻き傷などから体内に侵入し感染。
発展途上国での健康管理
(写真:Wikipediaより)
<症状>
・風邪程度の症状で経過してしまうことが多い。
・数ヶ月〜10年以上を経て巨大結腸や心筋症などの重傷疾患へ進行する。
<予防>
サシガメに刺されない
・蚊帳の使用

腸チフス

<原因>
・チフス菌、パラチフス菌による発熱疾患(発熱以外の症状が乏しい)
・経口的に(弁を介して)感染
<症状>
・発熱(体力が消耗する)
・胸部に淡い赤い発疹(バラ疹)が見られることも
・腸穿孔(腸に穴が開く)の可能性
・下痢(半数に見られる程度)
<対処法・治療>
・診断法:Widal反応 ・血液培養
・治療:キノロン、セフェム、クロラムフェニコール
・ワクチンが有効

急な腹痛

<原因>
・虫垂炎、胆石、急性膵炎(すい臓)、消化管出血など重症な場合もある
<対処法>
・腹腔鏡下や胃カメラ、MRI、CT、エコー検査など

経口補水液(ORS)の作り方例

・水500ml
・塩 1g
・砂糖20g
・レモンなどの果汁適量
参考:経口補水液の作り方

最後に

健康は自己管理が基本です。しっかりと食事、睡眠、休養をとっていれば自身の免疫力で病気にかかりにくくなります。自分の健康は自分で守るという意識を持って疾患予防を心がけましょう。皆さんの健康をお祈りします。