グアテマラのセマナサンタ 〜セマナ・サンタとは〜
イースター(復活祭)のことをスペイン語圏ではセマナ・サンタ(聖週間)と言います。キリストがエルサレムに入り、十字架に架けられて死んだイエス・キリストが三日月に復活したことを記念・記録するキリスト教(カトリック)において最も重要な祭りです。
復活祭の日付
復活祭は「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」に祝われるため、年によって日付が異なります。2018年は4月1日です。グアテマラの学校や多くの公共機関が復活祭の週(3月24日〜4月1日)はお休みになります。
グレゴリオ歴を採用した西方教会(カトリック、プロテスタントなど)は3月22日から4月25日の間のいずれか、東方教会(ギリシャ正教など)は4月4日から5月8日の間のいずれかの日曜日に祝われます。
年 | 西方教会 | 東方教会 |
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2016年 | 3月27日 | 5月1日 |
2017年 | 4月16日 | |
2018年 | 4月1日 | 4月8日 |
2019年 | 4月21日 | 4月28日 |
2020年 | 4月12日 | 4月19日 |
宗教派閥で復活祭の日付が異なるという現象が起きるようになり、議論が続いています。(復活日論争)
プロセシオン(聖行列)
日本の山車や神輿のように、各教会のキリスト像とマリア像が、それぞれ大きな台に飾られ、カトリック教信者たちによって大聖堂まで街を縦断します。これを「プロセシオン(聖行列)」と呼びます。


プロセシオンでは、キリストの受難、死、復活の3つのフェーズを表現します。
1.受難:紫衣装
キリストの苦悩を回顧するために、若干暗めの音楽で、厳粛で尊厳な雰囲気があります。
2.死:黒衣装
とても暗い音楽で、人々に笑顔は無く、葬式よりも暗い雰囲気でした。
3.復活:白衣装
明るい曲で、お祭りのような賑やかさがあります。(私は見ていませんので写真はtravel.jpより引用。)
山車にも種類があります。男性はイエスの山車を担ぎ、女性はマリアの山車を担ぎます。子ども用の山車もあります。
先導する人はミルラ(mirra)と呼ばれるお香を焚いています。
また、山車を迎える際、鐘の代わりにカラカラと音のなるマトラカ(matraca)と呼ばれる木製のリズム楽器を使います。
アルフォンブラ(絨毯)
山車が通るために、町の人々が準備するのがアルフォンブラです。花や野菜、おかくずなどで絨毯の模様を描きます。私の任地では、マツを敷き詰め、パイナップルやコローソ(corozo)と呼ばれる香りのある植物で飾っていました。
セマナサンタの週には、おがくずに色をつけて絨毯の模様を何時間もかけて作ります。
豪華で美しい絨毯があっという間にプロセシオンの下敷きになり、一瞬にして跡形もなくなります。敷き詰められていた食べ物は観客がとっていくようです。
清掃する人がいてあっという間に綺麗にしていきます。
寛大なグアテマラ人は快くアルフォンブラ作りに混ぜてくれるでしょう。
おわりに
グアテマラのアンティグアのセマナサンタは「世界一美しいお祭り」とも言われています。大勢のカトリック信者が街を埋め尽くし、芸術的なアルフォンブラの上を進むプロセシオンを間近で見ることができます。プロセシオン自体はカーニバル以降は毎週末見ることができます。地域や教会ごとに若干異なるものの、内容は全て同じです。休暇が取れる場合は是非グアテマラにいらしてください。
グアテマラのパレード