第1号報告書

報告書要約

過ごしやすい気候と温厚で陽気な同僚たちに囲まれて気持ち良く活動ができている。教育現場は自由な雰囲気で、体罰や叱責はほとんど見られず、児童が安心感を持って教室で過ごしている。助け合いの様子が見られる良さがある一方で、教員の学力・授業力が低く、児童の思考力・判断力・読解力等が育っていない。私の活動の柱は、パイロット校における思考力を高める算数授業方法の定着である。県教育事務所の技術部局に所属し、市内のパイロット4校を巡回しているが、2代目隊員のためボランティアへの理解があり、スムーズに活動に入っていけた。今年度は100時間以上の授業観察と、全校児童向けの算数学力テストを行ないをベースラインを測ると共に、課題点を明らかにした。また、国定教科書、グアテマラ学習指導要領や任地で使われている教科書の学習内容を比較調査し問題点を明らかにした。長期休暇期間中は児童対象の補習授業を行い、現地状況にあった授業方法を探る。来年度はパイロット校の計43学級に対し、年間・週間計画に沿った授業を行えるよう支援し、毎週1回ずつ授業観察と助言を行い指導方法を改善していく。また、児童の学習時間を確保しつつ研修を行うため、中休みの時間を使って研修を定期的に行っていく。年間を通した授業研究は技官を中心に運営できるようになっているが、参加姿勢や議論内容に課題が多い。授業観察の視点を広め、よりよい協議会ができるように支援していきたい。

活動地域及び配属先の概要

(1)配属先出あるキチェ県教育事務所は、グアテマラ市から北西に約150km先のキチェ県都、サンタクルスデルキチェ市にある。標高約2000mの高地で、日中は暖かいが朝晩は冷え込む。貧困層が多く、多くの児童が家の仕事を手伝っており、初等教育における留年率も高い。
(2)キチェ県教育事務所では、総合・金融・技術の3部局に分かれて業務があり、計約100名が働いている。ボランティアの所属している技術部局では、教員向けの研修の企画運営や、個々の相談窓口、学校への教材配布など、現場と関わった業務が多岐にわたる。
(3)今回のボランティア受け入れは2代目となり、ボランティアへの理解があり活動がしやすい。

ボランティアが所属する部局の概要

(1)ボランティアは技術部局に所属している。就学前、初等、中等、特別支援教育のそれぞれのレベルにおいて各技官がいる。役割は大きく分け3つある。①国の教育政策の伝達機関としての役割、②県内の公立学校の管理・監督、③県内の公立教員の能力向上のための研修会の企画運営である。ボランティアが関わるのは主に③の範囲となる。
(2)技術部局には現在、部局長1名、算数技官1名、その他技官13名が働いている。技官を中心に研究授業の運営することができている。国語(コミュニケーション)と算数の研究授業を合同で行うことが多い。

配属先のニーズ

(1)ボランティアに期待している内容は、算数科における教員の指導力向上である。そのための手段として、①国定教科書(旧グアテマティカ)の普及、②直接的な指導法の講習・研究授業の企画運営、③持続可能な教員の指導力向上への仕組み作り、がある。これらを同僚と共に実践し、教員の指導力向上を達成する。また、達成できる仕組み作りを行うことが期待されている。
(2)当初要請では市内パイロット10校を巡回、将来的には30校に増やしたいという希望であったが、集中的に助言・指導を行うために学校を4校(午前校3校、午後校1校)に絞った。週に1回以上は地区の各パイロット校で授業観察や講習会を行い、国定算数教科書を使った指導方法を普及させつつ、教員の指導力及び児童の学力を向上させる。また、パイロット校で培った知見をもとに、パイロット4校以外の学校に研修会を行なっていく。

活動計画準備状況

活動の柱は、パイロット校における思考力を高める算数授業方法の定着である。今年度は100時間以上の授業観察と、全校児童向けの算数学力テストを行ないをベースラインを測ると共に、課題点を明らかにした。また、国定教科書、グアテマラ学習指導要領や任地で使われている教科書の学習内容を比較調査し問題点を明らかにした。学習内容の乖離や教科書が行き届いていないなどの問題があるため、きめ細やかに支援していく必要がある。長期休暇期間中は現地状況にあった指導方法を提案するため、児童対象の補習授業をボランティアが行い、児童の学力を向上させつつより良い授業方法を探る。来年度はパイロット校の計43学級に対し、年間・週間計画に沿った授業を行えるよう支援し、毎週1回ずつ授業観察と助言を行い指導方法を改善していく。また、児童の学習時間を確保しつつ研修を行うため、中休みの時間を使って研修を定期的に行っていく。年間を通した授業研究は技官を中心に運営できるようになっているが、参加姿勢や議論内容に課題が多い。授業観察の視点を広め、よりよい協議会ができるように支援していく。

受け入れ国の印象

生活・性格は謙虚であり、お酒や煙草も控えている人が多い。陽気ではあるが温厚で、トラブルになるようなことも少ない。教育現場では、日本のように厳しく規律やルールで縛ってはいないため、低学年では手を焼くことがあるが、中学年以降は落ち着いている。アフリカやアジア地域の一部で見られる体罰や叱責はほとんど見られず、児童が安心感を持って教室で過ごしている。誰かのミスを厳しく問い詰める雰囲気よりも、できない友達を助けようとする雰囲気が見られるのが良い。一方で、教員の学力が低く、小学生の範囲でも理解できていないことが少なくない。間違った内容をそのまま教えている様子も散見された。児童の考える時間も取らず、黒板の答えを移させる、説明を一方的にするといった教授型の授業がほとんどで児童の思考力・判断力・読解力等が育っていない。児童が主体的に考える授業のグアテマラに合った導入方法を検討していきたい。全然わかっていない状態にも関わらず、アンケート上では多くの児童が「算数が好き」と回答する。問題解決の過程で思考する算数の楽しさを味わわせたい。

JICAへの要望・提案
・国定教科書(旧グアテマティカ)の教師用指導書の全教員への配布
 予算の関係から国定教科書は低学年にしか行き届いておらず、教員向け指導書は中学年以降はおろか、低学年の先生でも持っていないことが多い状況である。国定教科書の指導書を持っていない教員は自分で購入した教科書を使って指導している。指導範囲や内容も大きく異なり、教授伝達型授業を助長する内容なので、児童へ教科書を行き届かせる以前に、教員用の指導書を行き届かせて欲しい。→対応してもらえました。
・国定教科書(旧グアテマティカ)またはCNB(学習指導要領)の改訂
国定教科書の学習指導内容とCNB(学習指導要領)との乖離が少なくない。指導内容の違いが現地の教員が教科書を使わない理由や混乱の元となっている。国定教科書とCNBの項目を揃えられるよう協議して欲しい。また、国定教科書を読んでいると日本の教科書では見られないような間違いが散見される。次回改訂までに修正点などを拾い集める体制を整えて欲しい。→対応してもらえました。