第2号報告書

報告書要約

私の活動の目標は任地教員の算数指導力向上及びパイロット校の児童の算数学力向上である。パイロット4校を中心に、定期的な研修会や継続可能な指導力・学力向上の仕組みづくりを通して、モデルケースを作っていく。任地では道を歩いていても名前で呼ばれる方が多くなり、居心地の良い空間となっている。日本の授業と比較すると、グアテマラでは教師の知識が足りず間違ったことを教えているケースや、教科書が無いことによる問題や思考力の課題が見られる。教室内での飲食や立歩きなどの問題点も目立つが、子どもがお手伝いをし、家族同士が大切にしている様子は見習うべきところと感じる。良いところを残したまま、改善点を良いものにできるよう支援していきたい。

活動計画の説明

来年10月時点のパイロット校の教師の算数授業力及び児童の算数学力向上を目指し、国定教科書(旧グアテマティカ)を用いてパイロット校教師を対象に教授法の指導・支援を行っていく。前任者は広い範囲に浅く研修会を行ったのに対し、私は狭い範囲に深く研修を行っていく形をとる。活動としては、休憩時間を使った定期的な研修会、年間週間計画の配布・徹底、教員同士の授業観察などが挙げられる。各教員の負担は増やし過ぎず、児童の学習時間も減らすことなく研修を行っていく。問題解決型学習を行う上で、既習事項が身についていないために思考できない児童が少なく無いため、基礎学力向上も重要である。児童の基礎学力向上施策として、次の四半期は百マス計算、かけ算九九の暗記、単元毎テストなどを行っていく。私がいなくあった後も指導力・学力向上に向けて継続的にできる仕組みを作っていきたい。サンタクルスデルキチェ市のパイロット4校をモデル校とできるように注力するが、不定期にサンペドロサカプーラス市など他地域でも研修会を行う。

活動計画策定に向けた配属先との意見交換

今年度までは、県教育事務所は小学低学年向けに授業研究等を行ってきたが、来年度は全学年を対象とする形とした。それに伴い、パイロット校はこれまでより少ない4校とすることとなった。来年下半期にパイロット校で全教師が授業を公開する研究発表会を行うことを目標とすることで同意した。パイロット校で目に見える形で成果を出し、モデルケースとして他の地域にも広めていく。

配属先の動向

特に無し

受け入れ国の人々との交流

最近は道を歩いていても「Chino」ではなく、「Hiro」と名前で呼んもらえることの方が多くなった。長期休暇期間中に自宅から近い学校で補習授業を行なった結果、児童だけでなく保護者からも声をかけてもらえることも増えた。名前を覚えられた子どもも増えてくるなど良い影響が出ている。グアテマラ人相手にストレスを感じることは殆ど無く、他都市から帰ってくると安心する居心地の良い空間となっている。毎週末は家族に日本食を振舞ったり、運動コミュニティーの活動に参加したり、誕生日会や結婚式などに誘われて参加したりして交流を深めている。パイロット校の先生と児童の名前をもっと覚えられるように手を打っていきたい。

日本と受け入れ国の違い

日本とグアテマラの学校教育の違いについてあげていきたい。授業は強制伝達型だが、教師の知識が足りず間違ったことを教えているケースも見られる。教科書が全児童に行き渡っていないので、児童の力だけでは直しようのない問題がある。教科書が無い分、写すことはよくできるが、新しい考えを生み出す質問に答える児童は殆ど見られない。授業環境としては、教室内での飲食が許されていたり、休憩時間が1度だけなため、授業途中も自由に立ち歩くケースも散見される。都市部では同じ学校を午前・午後・夜間校で共用している場合があり、田舎部では複式学級の場合も多い。小学校でも留年があるため、1年生の教室でも体の大きい児童がいることも少なく無い。一方で、子どもが家や学校のお手伝いをよくしている。兄弟が多く、家族と過ごす時間が多いのも良い影響が出ているように感じる。

JICAへの要望・提案

・調整員の増員について
過去に隊員会からも意見が上がっている内容ですが、グアテマラの隊員人数に対して、調整員の人数が少なく感じます。
隊員の要望に丁寧に対応してくださり、メールが定時を大幅に過ぎた時間にも届くことから、日々遅くまで働いていることが伺えます。
この2ヶ月間では、必要な連絡が直前になることが続いたり(移動届提出期限が1週間前にもかかわらず連絡が1週間前など)、
緊急性の高い連絡が遅くなったり(ある日の午前中に発生した事件が、翌日に緊急連絡網がまわる)、
活動見学に来ると言ったが来れなかったり、今後活動や安全確保に支障が出ることが懸念されます。
これらは日本人調整員一人当たりの仕事量が多いために生じる遅延であり、現地スタッフを雇ったとしても超過勤務が解消されるとは思えません(今月末も急に退職されています)。調整員増員などによる調整員の業務軽減策についてJICA本部の意見を伺いたいです。
→不可