第3号報告書

報告書要約

パイロット4校を中心に、教員の算数指導力向上と児童の算数学力向上を目指して指導・支援を行なってきた。教師の向けに各種研修や教材開発と支援を行い、黒板用カードなど導入しやすいものついては成果が上がった。年間計画と単元テストを導入しても、行事により授業が潰れることからも、高学年の全学習範囲の終了は難しい状況である。会議やその他活動が入るので、休み時間を使った研修会の毎週定期開催や教師同士の授業観察の導入は難しかった。これまで250時間以上行い、教師に指導法を提示・指導するとともに指導方法を研究した。児童の活発化する様子が見られたが、児童のレディネス不足による繰り返し学習量の不足から、中学年以上での飛躍的な学習効果は難しかった。百マス計算などで計算力などを向上させても、高学年の算数の単元テストの結果向上には大きく寄与しなかった。教師に依存せず、児童が学習できるよう模範動画を使った授業の実証実験を進めていきたい。現地業務費は実力テストに対して計画。
グアテマラは貧富の差が大きく、先住民と農村部であるはど貧困率が上がり、インフラ格差により国内地域格差も感じる。コネ社会であるため貧困が連鎖しやすいが、家の外観からは格差はわからない。職業の性差意識や若年結婚・出産により男女格差も大きい。
食事はトルティーヤとフリフォーレス、お祝いの際にはタマールが定番。その他、カルドやペピアン、セビーチェなどが有名。昼食以外は簡素な食事で、炭水化物や砂糖の過剰摂取と野菜不足から肥満が目立つ。

活動の進捗状況

パイロット4校を中心に、教師の授業力改善、児童の学習システム改善、学校のシステム改善、教師の学び合いのシステム化に向けて指導・支援を行なってきた。年間を通して算数単元テストを作成・実施・集計をし、指導法の検討に活かすとともに、年間計画と合わせて全学習範囲の完了を狙った。授業時間を削らずに研修を行うために、休憩時間を使った研修会や教師同士の授業観察の定期開催を試みた。また、全学級に国定教科書の指導書と黒板用カードを整え、百マス計算、フラッシュカードなど用いて授業支援を行った。年初は教室環境の整備から始め、実力テスト、板書や授業展開などの研修、全学級で授業観察と模範授業を実施し、その後は学級を選んで単元全ての授業を受けもち、任地の現状に合った指導方法を研究した。これまで250時間以上の授業を行なっている。指導書に沿った授業から始め、教えて考えさせる授業、協働学習、丸つけ指導法、音読練習法など様々な指導法を検証した。これまで貯めた知見を生かし、現地教員だけで研修会が行えるよう資料の作成と整備を進めていくとともに、県教育事務所所属を生かして大規模研修会をパイロット校以外でも計画していく。

着任後1年時点の活動結果と課題及び課題に対する解決案

年間指導計画を作成・配布し、進捗に合わせて単元テストの配布・実施を試みたが、予定外の行事や会議で授業が潰れることや、児童のレディネス不足から全学習範囲の終了は難しい状態である。休憩時間を使った研修会も、休み時間に会議や他の活動が入ることが多く、児童の学習時間を確保しながらの研修毎週定期開催や教員同士の授業観察の定着は難しかった。黒板用カード配布による授業支援は一定の成果が上がった。模範授業での協働学習や丸つけ指導法では活発な学習の様子は見られたが、レディネス不足による繰り返し練習の絶対量不足から、中学年以上のテスト結果の飛躍的向上は難しかった。百マス計算などで計算力をあげても、高学年の算数の単元テストの結果向上には大きく寄与しなかった。高学年を中心に、積み重ねが必要となる単元では指導内容を改善してもテストで成果を上げるのは難しかった。教員が半日しか勤務しない中、児童の学習時間を確保しながら教師の学力・指導力を上げていくのは難しく、教員養成などの抜本的改革が必要であると感じる。教員の質に依存せず、児童が必要な学習内容を学べるよう、模範動画を使った授業の実証実験を進めていきたい。

現地支援制度活用計画

他の同期隊員にも協力を募り、全学年分の算数単元テスト(全74種)を作成し、次四半期で全て完成させる。完成させたものは、任国の教員に今後活用してもらうように整備・周知していく。それらのテストと、昨年も実施した実力テストに対して現地業務費を使用する。

社会的格差に関する初見

首都のグアテマラシティに象徴されるように、グアテマラでは日本よりも富が一部の人に集中し、貧富の差が大きいです。グアテマラは多くの先住民に加えて、ラティーノ、メスチソなどから構成する他民族国家で、先住民族に貧困層が多く、農村部に行くほど貧困率が上がる。良質な土壌と道路インフラが整いつつあるグアテマラ南東部や観光資源のある地域に比べて、私の県はアクセスの悪さや自然環境から発展の遅れを感じる。また、コネ社会であるため、就職のしやすさなどから富と貧困が連鎖しやすい。都市部では塀で囲まれた住宅の構造上、裕福な生活は外からはわかりにくい。似たような外観でも、ガスや電気のない家もあれば、日本の高級住宅と変わらない家もある。また、女性は家庭を守る役割が日本よりも強く、10代で結婚・出産するケースも多いので、男女格差も大きい。寛容な気質である一方、批判的思考力に欠けるように感じる。ビジネスにおいても、状況に合ったものではなく、近親者の真似になり、似たお店が並んでは潰れている。現状を改善していく思考力を養うためにも、算数を中心とした教育が重要になってくるだろう。

受入国の食事

グアテマラには「人はトウモロコシからつくられた」という神話があり、主食はお米ではなくトウモロコシである。トウモロコシのうす焼きパン(トルティーヤ)と、インゲン豆を煮た黒豆(フリフォーレス)が定番である。クリスマスや新年などお祝い事の時にはタマールと呼ばれる、トウモロコシかお米をすりつぶした生地にとり肉やジャガイモ、オリーブの実、干しぶどうなどを入れて、バナナの皮で包んで蒸し焼きにした料理が必ず食べられる。その他に、鶏肉とジャガイモやニンジン、トウモロコシ、ウィスキルなどの野菜が入ったカルドと呼ばれるコンソメ味のスープや、ペピアンと呼ばれる肉や野菜にスパイスを加えて煮込んだシチューなども有名である。その他、セビーチェと呼ばれるエビや貝などをマリネしたシーフード料理もおつまみとして人気がある。一番力を入れるのは昼食で、朝と晩の料理のバリエーションは驚く程に少ない。学校にお昼の給食は無いが、軽い食事(リファクション)の時間がある。野菜をあまり取らず、炭水化物やスナック菓子、砂糖を取りすぎる傾向があるので、身長の低いグアテマラ人にとって過剰摂取となり、太り過ぎの人が多いのが目立つ。

JICAへの要望・提案

・緊急連絡網について
これまでに緊急連絡網が何度か回ってきていますが、時間差があったり、伝言を伝えていくうちに漏れが生じたり、情報を再び見返すのにも不便な面が多いと感じています。緊急連絡網を回す際、簡単かつ電話連絡後でも良いので同じ内容をメールでも送っていただけないでしょうか。