第4号報告書

報告書要約

昨年と同様の児童向け学力テストを実施し、1年生は21点、2年生は18点、3年生は16点、4年生は12点、5年生は26点、6年生は10点結果が向上した。実際に授業に多く入ったことや単元テストの効果が表れたと考えられる。また、休暇中は他のボランティアとの広域研修会を合同で実施したり、中南米地域教育テレビ会議の開催を企画運営したりした。1年間かけて算数単元テストを作成したので、残りの期間で修正を完了し、共有していく。
課題解決に向けて映像授業の導入を検討していたが、作成コスト、映像の見にくさ、授業速度、面白さなど多くの課題点が明らかになり、今後の動画作成及び授業運営面から考えて、板書を用いたビデオの一斉授業への導入は難しい。残りの期間で電子教材を用いた指導システムについて検証していく。

活動の成功例は机間指導を重視した模範授業で、教材準備に時間がかからない指導内容を意識した。失敗例はCPと一緒に活動できなかったことによる人材育成不足である。
受け入れ国の人々の変化として、授業中に子どもたちが思考する時間が増えたり、国定教科書を使おうとする教員が増えたりした。各種行事への参加を通して、日本人としての認知度も高まっている。
興味をもったことや良い部分は真似ようとしている。
休暇はできるだけ多くの町を訪問し、グアテマラの文化理解を図った。町と町がはっきりと別れていることが多く、独自の文化が残りやすい。どの町も豊かな中心部からは貧困についてはあまり感じられなかった。グアテマラには多くの観光資源があるので、治安改善による今後の観光客増加を期待する。

活動の進捗状況

昨年パイロット4校でベースライン調査をした児童向け学力テストと同じものを実施した。1年前と比較して1年生は21点、2年生は18点、3年生は16点、4年生は12点、5年生は26点、6年生は10点向上した。モデル授業として多くの授業にボランティアが指導に入ったことや単元テストによりテスト慣れしたことなどの効果が表れたと考えられる。休暇中には他のボランティアと合同で任国内研修を実施した。自分の講義パートでは教育を行う上で知っておくべき理論を詰め込み、好評を得られた。他の地域でも講義ができるように整えていきたい。また、在外研修が開催できなかった代わりに、第一回中南米地域教育テレビ会議を企画し、進行を務めた。中南米の教育事情について9カ国の教育ボランティア間で理解を深めることができた。
また、1年間かけて作成してきた算数単元テストが全学年の全単元分作成した。実際に運用してみると、採点がしにくい部分が見えてきたので、残りの期間で修正し、共有していきたい。

課題解決に向けた取り組み・進捗・結果

教員の学力に依存しない授業システムとして動画を活用した映像授業を検討していたが、1つの動画作成コストが非常に高い。カーテン等の無い教室での映像の見にくさ、文字サイズ、授業速度、面白さ、など課題点が多く、微修正もしにくく、質の高い授業動画を作ること自体が難しい。また、動画に合わせて教材も全て整えっている状態が必要となるので、個別支援への課題も多い。一人一台の映像授業で成功したモデルと違い、一斉授業では児童の集中力を保つのも難しい。日本のような板書を用いた授業のビデオを一斉授業で広域に導入することはグアテマラでは現実的ではないだろう。今後は映像授業ではなく、教えるべき内容を網羅し、ノート指導も考慮した電子教材をパワーポイント等で作成する。児童は学ぶべきことを学べ、教師自身も教えながら学べるようにしたい。残りの期間で現地教員にも指導に使ってもらうことでどのくらい効果が得られるかを検証していきたい。
また、教育についてまとめたものをWeb上に整理している。帰国後も続け、世界の教育レベル向上に少しでも寄与できるようにしていきたい。

活動事例の紹介 成功例・失敗例

成功例:机間指導を重視した模範授業。授業方法を紹介するためにボランティア自身が授業を行い示した。児童の実態把握や学力向上の直接効果が得られた。授業を見られるのは誰もが抵抗感があるが、ボランティアが授業を行う分には時間を調整すれば反発は一切受けなかった。また、全ての単元を一度は教材研究しを行い、授業の準備に時間をかけなくてもできる授業展開とした。任国外旅行中においても、他のスペイン語圏の国で飛び入りの授業を同様に行うことができた。教材準備に時間がかからない指導内容となることを意識し、どの授業でも比較的真似しやすい授業とした。
失敗例:人材育成。CPと一緒に活動をほとんどしなかったので、テンポよく自由に仕事をすることができた。一方で、自分の考えや知識を伝える機会があまりなかったので、育てることができなかった。また、模範授業を重視し、教員たちの授業システム改善を行って来なかったので、大きな改革ができていない。自分の分身を育てるということを怠ってしまった。

受け入れ国の人々の変化

算数授業内で子どもたちが思考する時間が増えた。また、国定算数教科書を使おうとする教員が増えた。以前よりも子どもたちが自分の考えを話すことができるようになり、国定教科書の内容に沿った回答方法に慣れたのでテストの点数が改善している。
主の活動以外でも日本についての理解が増えた。任地の町を歩くと「チーノ(中国人)」と呼ばれていたが、日々の授業の他に、保護者会や各種行事に来賓やマジシャンとして参加することで大人からの知名度も増し、日本人と認知されて名前で読ばれることが増えた。日本語で挨拶してくれる人も増えた。また、私の周りのグアテマラ人が部屋に私と同じ物を購入して同じような使い方をしたり、私が即席で作った道具を同じように作ったり、私を真似ている様子がみられた。グアテマラは日本以上にコピー(真似)する文化があり、周りを見て同じようなことを始める傾向がある。ただ知らないだけのことも多いので、グアテマラ人が興味をもったことや良いと思ったことは比較的広まりやすい風土があるのではないかと感じた。

任国事情・広報活動等「旅行」

グアテマラを広く知るために、休暇を利用してできるだけ多くの町を訪問するように心がけた。町と町を繋ぐのは一本道であることが多いので、地図を見ながらならば移動は比較的容易である。隣町までは山を越えないといけないなど、町と町がはっきりと分かれている場合が多く、独自の文化が残りやすい。標高の違いによってみられる文化や植生が違い、数時間の移動でも別の国に来たかのような感覚さえ受けた。どの町にも中心部には教会、市庁舎と中央公園が存在し、中心部近くからは貧困については感じられないほど綺麗に整備されていることに驚かされた。都市型の貧困は感じにくく、お金があるところには集まっているという印象を受けた。旅行先を薦めるならば、ユネスコ世界遺産に登録されているアンティグア、ティカル・キリグアなどのマヤ文明遺跡巡り、アティトラン湖やラチュア湖、セムクチャンペイの石灰棚などの美しい自然の景観、マヤの先住民族の村周りなどが良いだろう。村ごとに異なるウィピル(伝統衣装)からもその村の文化を感じられる。観光資源はあるので、首都の治安が改善されれば、より多くの観光客が訪れ外貨収入のチャンスが見込めると感じた。

JICAへの要望・提案

電話の無料通話アプリの活用。任国外旅行時にSIMを購入したが、グアテマラJICA事務所宛に連絡するのに手間取ってしまったり、国際通話料がかかってしまったりした。現在WatsAppやLINE、Skype、カカオトークなど様々な無料通話アプリがあるので、任国外旅行時に活用するとより連絡が取りやすくなると感じた。同じ値段であれば、通話用のSIMよりもインターネット通信用のSIMの方が旅行時においても便利であった。任国外旅行時のボランティアの連絡受付用に1アカウント作るだけでコストもかからないので、ご検討いただきたい。