分数①

目標:単位分数を基に様々な分数をとらえ、真分数や仮分数、帯分数の表し方や意味を理解する。

3年生の時に、分数の仕組みと、分数のたし算、ひき算を学びました。
これまでに学習した分数についてふり返ってみましょう。
分数の上の数字と下の数字は、それぞれ何と呼びますか?

C:分数の下の数字が分母、上の数字が分子だね。

そうですね。では下の図では、分数の仕組み、分数と小数、分数のたし算・ひき算を表しています。
3つの考えについて説明してみましょう。

<Aさん>(分数の仕組みについて説明しています。)
▪️1つ分が何を表していますか?
0から1を何等分しているか数えてみましょう。
C:0から1を5等分しているので分母が5になるね。
C:1mを5等分した目盛り1つ分の長さは1/5mだね。

それでは残りの数字も埋めてみましょう。
C:▪️1つの長さは、1mを(5)等分した1こ分の長さなので、(1/5)mです。
  1/5mの(5)こ分は1mです。1/5mの9こ分は、(9/5)mです。

そうですね。では、次の図です。
<Bさん>(分数と小数の関係について説明しています。)
目盛り1つ分が何を表しているでしょうか?
0から1を何等分しているか数えてみましょう。

C:0から1を10等分しているので、分母が10、目盛り1つ分は1/10になるね。
C:上も下も、10等分した1つ分を単位としているので、1/10を小数で表すと0.1になるよ。

そうですね。等しい大きさの数を、分数と小数で表せました。
<Cさん>(分数の足し算や引き算について説明しています。)
分数も、整数や小数と同じようにたし算や引き算ができます。
2/4+1/4、これは何をもとにして考え、計算しますか?

C:1/4をもとにすると、2+1=3となるね。
2/4+1/4=3/4

それでは、残りの◻︎を埋めてみましょう。
C:1/6をもとにすると、5-3=2
5/6-3/6=2/6だね。

1/2や1/3といった分数をもとにして、整数の足し算や引き算と同じように考えることができます。
分数についてもっと学習してみたいことはありますか?

C:1や2よりも、もっと大きい数も、同じように分数で表せるのかな?
C:9/5mはどれくらいの長さか、(分子が大きくなっていくと)わかりににくいな。
大きさが分かりやすい表し方はあるのかな?

それでは、この単元では、分数について詳しく調べていきましょう。
まず、この図を見てください。
1目盛りが1/3mの分数ものさしと、
1目盛りが1/4mの分数ものさしを使って、いろいろな長さをつくりました。
ピンクは1mを3等分しているから、1目盛りが1/3mであること、
青は1mを4等分しているから、1目盛りが1/4mです。
C:1mと同じ長さや、1mを超える長さがあるね。

それでは、今日の問題です。
「ア〜オの色をぬったところの長さを、分数で表します。それぞれ何mと言えば良いでしょうか。」
問題を書き、やってみましょう。
わからない場合は、先ほどのAさんの図を参考に、分母の数のいくつ分かについて注目しましょう。

それでは、聞いてみましょう。
C:ピンクのア、ウ、エは、1/3mが何こ分あるかで考えるね。
そうすると、アは1/3mが2こ分だから2/3m,
ウは1/3mが3こ分だから3/3m,
エは1/3mが5こ分だから5/3mだね。
C:3/3mはちょうど1mだね。5/3mは1mより大きいよ。

そうですね。1mより大きくても1/3の何こ分かを分子にした分数で表せます。

C:イ、オは1/4mが何個分あるかで考えるね。
イは1/4mが3こ分だから3/4m、オは1/4mが11こ分だから11/4mだね。
C:エも1mより大きいよ。オは分子の数が大きくて、大きさが分かりにくいね。

そうですね。アとイは1mより小さいです。
2/3や3/4のように、分子が分母より小さい分数を「真分数」といいます。
一方、3/3や5/3,11/4のように、分数と分母が同じか、分子が分母より大きい分数を「仮分数」といいます。
真分数proper fractionが、1より小さい分数で、真の分数なのに対し、
仮分数improper fractionは、1と等しいか1より大きい分数で、完全な分数ではない、仮の分数であるという意味だと言われています。

C:オの長さを11/4mと表したけど、どのくらいの長さなのかよくわからないな。

それでは、1より大きい分数の大きさについて考えましょう。
先ほどの図のエの、色をぬったところの長さは、1mとあと何mですか?

C:あと2/3mです。

そうですね。1mは、3/3mなので、5/3mを3/3mと2/3mに分けて、1mと2/3mと考えることができます。ここで、1mと2/3mを合わせた長さを12/3mと書き、一と三分の二メートルと読みます。
では、先ほどの図のオについても考えてみましょう。
オの色を塗ったところの長さは、2mとあと何mですか?
また、合わせて何mと言えば良いですか?

C:2mと、あと3/4mです。合わせると、23/4mです。

その通りです。1 2/3や23/4のように、整数と真分数の和(足したもの)で表されている分数を「帯分数」といいます。
この「帯」という言葉は、あるものが帯状にまとまっていることを意味します。帯分数は、整数部分と分数部分が一緒になった形で表現されるため、まるで整数部分と分数部分が帯のように一緒になっている様子さしていると考えられます。
そのため帯分数は、1より大きい分数です。

C:0 2/3 こういうのはないの?

整数部分が0の場合は、それは真分数として扱われます。

C:帯分数は大きさが分かりやすいね。

では、仮分数にはどんなよさがありますか?

C:仮分数は、1/3や1/4が何個分あるかが分かりやすいね。

それでは、まとめましょう。
「1より大きい分数は、仮分数と帯分数の2つの表し方がある。」